新大久保駅から東にブラブラと10分ほど歩いた右手の2階にある。ゆったりした階段を登ると、手前に「かぼちゃ」、奥に「海鮮宮」と2軒の韓国料理屋が入っている。
正面に魚の泳ぐ大きな水槽があり、海鮮の専門店らしい構えをみせている。店内は開放的ながら、テーブル席あり、座敷あり、個室風に区切られた一角ありで、大久保界隈の店によく見られる「韓流ポスターベタベタ」と違い、接待に使っても可という雰囲気だ。全体的に清潔で、涼しげなたたずまいである。
テーブルの上には塩やソースと一緒に爪楊枝がちゃんと装備されていて嬉しい。おおっ!しかも大振りなコップとともに冷たいオシボリが出てきたではないか。応対してくれるお姉さんも優しく礼儀正しいし、分厚い表紙のついたメニューも高級感がある。
ランチメニューは文字だけのシンプルなもので品数も多くないが、全て一律700円である。これは随分とお値打ちな部類だ。この店構えでこの価格は不釣合だが・・と思いつつ「刺身ビビンバ」を注文してみる。新鮮なヒラメと野菜の絶妙な味、などと書いてある。ホント?本当にヒラメが?
ほどなく、オカズの小皿が3品並んだ。なかなか綺麗な皿である。(もうひとつ小皿に味噌がついてきたが、これはお好みでビビンバに入れるものである。)
オカズの内容は、モヤシのあっさりしたナムル・シャキシャキした細切り大根の辛子和え・ハンペンの甘辛煮。けっこう量も盛ってあるし、盛りつけ方も綺麗である。
そして味が・・プロの料理である。
ランチのおまけに付いてくるオカズ、と侮ってはいけない。モヤシは瑞々しくシャッキりして、薄い味付ながら噛めば噛むほど旨味が出るし、大根の辛子和えは新大久保界隈で食べたランチのオカズ中ナンバーワンではなかろうか?ハンペンの甘辛煮も、庶民的なメニューながら何かがひとつ超えている。
そして肝心の「刺身ビビンバ」は、間違いなく新鮮なヒラメの刺身だった。辛味味噌をかけて食べると、旨い!刺身と、これまた新鮮な野菜とが、絶妙のマッチングである。
新大久保界には「韓国家庭料理」と銘打ったお店が多い。そして、俺も素朴な家庭料理のお母さんの味は好きだ。だがこの店は修行を積んだプロの料理人の”技”を食わせている。そして、やはりプロの技は、お母さんの手料理より一枚も二枚も上手だった。
これを700円で出すというのは、儲けのためではなく名刺代わりと見るべきだろう。店の雰囲気と味を知って貰い、夜の会食等に繋げる目的だろう。実際、接待に使っても良い味と店構えである。
このランチを700円で食べれば泥棒に近いお値打ち感。できれば夜に再訪して、海鮮料理を堪能してみたいものである。
会計には消費税の加算なし。ガムを貰い、非常に丁寧な見送りを受けて帰る。

